天然真珠の探求
人類と真珠の出会い
真珠は人類が出会った最初の宝石といわれています。
泥や苔だらけの閉ざされた貝の中から光り輝く珠がでてきたら・・
偶然の出現に驚き、魅了された人々の探求。
真珠の探求
やがて権力者たちは真珠を探し求めます。宝飾品とするには珠の大きさや色、形などをそろえる必要があります。しかし、真珠が貝から生まれる確率は何万個に一個です。膨大な数の真珠貝を必要とするため、真珠採取のための集団が形成されました。
過酷な真珠採取
この真珠採取という困難な仕事を担ったのは奴隷に近い身分の人々です。何日間~半年間、船の上で過ごし、粗末な食事にほぼ裸のような身なりで、潜るときにはワックスのようなもので耳を塞ぎ、足には錘(おもり)をつけられ、日の出から日が暮れるまで潜水を繰り返すのです。 命がけで採取された真珠は、ヨーロッパの王侯貴族のみが手にし、愛用しました。
人の手を介することはなく、ただ海と貝だけが育む神秘の宝石・・・それが「天然真珠」
西太后が愛した「パール・オブ・アジア」
ニュージャージーのパールラッシュ等、
全て養殖の技術が生まれる前の事・・天然真珠の話です。
養殖真珠への道のり
養殖への試行錯誤
天然真珠に出会って以来、人々はこの神秘の珠を作ってみたいと、様々な試行錯誤を繰り返します。
真珠養殖が初めて行われたのは、11世紀の中国で。仏像真珠と呼ばれる、半円真珠が作られていました。ヨーロッパでも研究は進められます。19世紀にはいると、真珠形成のメカニズムに目が向けられるようになり、ドイツのアルバーデスが、1913年に真珠を作ることに成功しています。
世界で初めて養殖に成功した日本の技術
しかし、それより前の1893年、真珠を創造する夢は日本人の手により実現されたのです。
はじめは半円真珠、その後、真円真珠の養殖の技術が確立され、1907年に成功にたどり着きました。 以降、この養殖技術が黒蝶真珠・白蝶真珠・淡水真珠養殖の基本となります。
現在、真珠と言えば「養殖真珠」。一般に流通している真珠の殆どは養殖真珠です。
養殖真珠とは
核入れから始まる真珠の養殖
「養殖真珠」は、まず、母貝となる貝に核入れ手術が行われます。
手術後は海に戻され、海の変化に応じてあらゆる手間暇がかけられます。そして寒さ厳しい冬の時期に真珠採取の浜揚げという作業が行われます。
養殖環境が左右する真珠の出来
貝の体力・海の状況により、刻々と真珠の育つ環境が変化する中、輝きのある美しい真珠が採取できる確率はごくわずか。養殖真珠は人々の努力の賜物なのです。
アコヤ真珠・基本情報
- 名称:アコヤ真珠
- 母貝:アコヤ貝
- 採取地:愛媛・三重・九州
- サイズ:2-10ミリ
- 形:ラウンド・セミラウンド・セミバロック・バロック
- 色:ピンク・ホワイト・クリーム・イエロー・ゴールデン・ブルー等
黒蝶真珠・基本情報
- 名称:黒蝶真珠
- 母貝:クロチョウ貝
- 採取地:タヒチを中心としたフレンチポリネシア海域・クック諸島・フィジー島・沖縄など
- サイズ:8-16ミリ
- 形:ラウンド・セミラウンド・ドロップ・サークル・オーバル・ボタン・バロック・ケシ等
- 色:ブラック・グレー・グリーン・ブラウン・ピーコックグリーン・ブルー・イエロー等
白蝶真珠・基本情報
- 名称:白蝶真珠
- 母貝:シロチョウ貝
- 採取地:オーストラリア・インドネシア・フィリピン・ミャンマー
- サイズ:9-20ミリ
- 形:ラウンド・セミラウンド・ドロップ・サークル・オーバル・ボタン・バロック・ケシ等
- 色:ホワイト・シルバー・ゴールド・クリーム等